鹿児島県は人口も多く、病院・薬局・診療所の数も多いため、比較的職場探しを
しやすいエリアとなっています。
しかし選択肢が多い分、職場を絞るのも簡単ではないため、職場の内部事情を
教えてくれる転職エージェントを活用するのがおすすめです。
それでは、気になる鹿児島県の給与や業種、労働環境などを詳しく
見ていきましょう。
目次
鹿児島県の医療施設数及び薬剤師数
鹿児島県内の病院・施設の数 | ||
病院数 | 薬局数 | 診療所 |
566件 | 2,352件 | 3,370件 |
鹿児島県の薬剤師数 | ||
病院勤務 | 薬局勤務 | 診療所勤務 |
2,470人 | 6,240人 | 143人 |
鹿児島県の薬剤師数は、平成26年度統計で10,800人となっており、全国8位となっています。
人口10万人に対する薬剤師数は全国平均より26人少ない200.1人となっています。この数字から、薬剤師の数はやや不足している状況です。
鹿児島県の薬剤師の平均年収について
鹿児島県の薬剤師の平均年収は527,6万円で、全国平均の515万円よりも12.6万円高く、全国18位となっています。
鹿児島県の薬剤師の事情
鹿児島県は人口が多く、特に札幌や旭川市、函館市と人口の増加が続いており、病院などの施設数も多くなっています。そのため、薬剤師の需要は高く、全体として不足している状況が続いています。
また、鹿児島県民の高齢化に伴って在宅医療に携わる薬局やドラッグストアも増えており、今後も薬剤師不足が加速する可能性もあり、ますます薬剤師のニーズが高くなることが予想されます。
鹿児島県の薬剤師求人の業種の割合
調剤薬局 | |
病院・クリニック | |
ドラッグストア(OTC医薬品のみ) | |
ドラッグストア(調剤併設) | |
その他 |
※公開求人数より算出(非公開求人は含まず)
鹿児島県の薬剤師求人では、調剤薬局の募集を多く見つけることができます。
病院・クリニックの求人も見つけられますので、病院薬剤師を目指す人にも
おすすめです。
ドラッグストア求人では、OTC販売のみの店舗が7割、調剤併設の店舗が
3割となっています。
全体的な求人数は多いエリアですので、十分に吟味して職場を探すことが
可能です。
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薬剤師の働く職場の種類
薬剤師の求人を出しているのは主に以下の4つに分類されます。
病院
病院勤務の薬剤師は、医師や看護師との連携の中で働く職場環境であるため、よりコミュニケーションが重要な職場です。
病院薬剤師で働くメリット
病院薬剤師のメリットは、患者さんと向き合って、より踏み込んだ服薬指導を行うことができるため、やりがいを感じることができるところです。薬を渡して終わりではなく、患者さんの様子や処方した薬の効果を具体的に図ることができるなど、充実した医療を行うことができます。
自分が医療スタッフであることに誇りを感じながら働けるのが、病院薬剤師の魅力です。
病院薬剤師で働くデメリット
医師からの指示にしたがって薬を調剤するため、時にはミスを見つけたり、修正を要請する必要があるなど、神経を使う場面も多いでしょう。
同時に自分のミスを指摘されたり、自分の判断と意見が食い違ったりするケースもあり、臨機応変さが求められます。
また、病院での薬剤師は夜勤や日直があり、4週8休などの勤務形態など、勤務日数が多い傾向にあります。また、転職からの求人募集が少なめで、募集倍率が高い傾向にあります。
病院薬剤師の年収相場
病院薬剤師の年収相場は、病院にもよりますがおよそ400万~600万円くらいとされています。
そのうち、いわゆる急性期型病院では、勤務時間が長く、残業も多い傾向にあり、その割には年収は低めであることが多い傾向にあります。
逆に、療養型病院では、残業が少なく、年収が高めの傾向にあります。
調剤薬局
調剤薬局の薬剤師の仕事のメインは「調剤」です。
こちらも病院薬剤師と同様、医師の発行した処方箋を確認して、薬を調剤します。同時に処方ミスがないかどうかのチェックも、薬剤師の仕事です。
病院前にある門前薬局では、該当の病院との連携が不可欠です。そのため、コミュニケーション能力も必要となります。
また、患者さんへの服薬指導や、患者さんの薬歴を管理する「薬歴管理」も仕事の一環です。
調剤薬局で働くメリット
調剤薬局は、営業時間がしっかりと決まっているところが多く、土日祝は休みというところもあります。そのため、主婦やプライベートとしっかりと守りたい薬剤師さんに人気があります。
パートや時短勤務で働きたい人でも働きやすいが特徴です。
調剤薬局で働くデメリット
病院勤務と比べると、患者さんとの距離ができやすく、薬の効果や患者さんの様子を目の当たりにしにくい傾向にあります。
調剤薬局の薬剤師の年収相場
調剤薬局の年収の相場は、地域によって大きな差があります。
新卒採用で480万円前後、以降は500万円~640万円あたりが相場となっています。
企業
企業薬剤師とは、製薬会社や化粧品メーカー、あるいは治験受託開発機関などの開発部門内で働く薬剤師のことを指します。
主に新薬の開発や研究をしたり、学術職としての薬剤師業務もあります。
製薬会社には管理薬剤師を置くことが義務付けられており、監督官庁との対応、許可申請届けや医療品の品質管理、ドラッグインフォメーション(問い合わせ対応)などの業務も必要となります。
企業薬剤師として働くメリット
企業薬剤師は、調合や患者さんとの対応と言った薬剤師業務よりも、申請業務や問い合わせ対応と言った業務の割合が多い傾向にあり、いわゆる事務系の仕事が多くなります。
そのため、幅広い仕事をしたい人にとって働きやすい環境と言えます。
企業薬剤師として働くデメリット
一言で企業薬剤師と言っても、治験コーディネーター、臨床開発モニター、管理薬剤師、メディカル営業など、ジャンルが多岐に渡るため、仕事内容がそれぞれに違ってきます。
そのため会社によっては、薬剤師としての仕事よりも事務処理的な仕事が多くなることもあり、やりたいことと違ったということもあります。
企業薬剤師の年収相場
企業薬剤師は非常に業種の幅が広く、年収も400万円~700万円と、会社によって違いがあります。
ドラッグストア
ドラッグストアの薬剤師は、いわゆる薬の調剤業務よりも「一般用医薬品」を扱うことが多くなります。一般用医薬品は、医師の処方箋なしで販売されている医薬品のことです。
風邪薬や胃薬、頭痛薬などがそれにあたります。
そのため、ドラッグストアの薬剤師はこの一般用医薬品の説明や、お客様の症状からおすすめの薬を選ぶと言った業務がメインになり、一般用医薬品に対する深い知識が求められます。
また、ドラッグストアの中にも調剤併設型があり、調剤業務も並行して行うところもあります。
ドラッグストアの薬剤師として働くメリット
ドラッグストアで働くメリットとしては、意外と給与が高いことがあげられます。
また、いわゆる一般のパートやアルバイトよりも立場が高いことが多く、エリアマネージャなどへの昇給もしやすいのが特徴です。ドラッグストアにとって、有資格者である薬剤師は唯一無二の存在として、いてもらわなければならない存在でもあるため、非常に優遇、重宝されるところも多いでしょう。
ドラッグストアの薬剤師として働くデメリット
ドラッグストアの薬剤師は、販売店員としての業務も兼任することが多く、薬剤師として働きたい人にとっては得るものが少なく、やりがいを感じれられないこともあります。
品出しや清掃ばかりと言った雑務に負われる場合もあります。
ドラッグストア薬剤師の年収相場
企業によっても大きな差がありますが、500万円から750万円あたりが相場となっています。
薬剤師として働くならどれ?病院?調剤薬局?ドラッグストア?
薬剤師として働くなら、果たしてどの業種で働くのがよいのでしょうか。
ここでは、病院・調剤薬局・ドラッグストアの3つを、8つの項目から
比較してみました。
病院 | 調剤薬局 | ドラッグストア | |
給料 | 400万円~600万円 | 480~640万円 | 500~750万円 |
残業(月) | 10~20時間 | 0~3時間 | 5~20時間 |
昇給 | しにくい | しやすい | しやすい |
休日 | 病院の休診日が休み | 病院の休診日が休み | 週休2日(土日は出勤) |
勤務時間 | 9:00~17:00 17:00~9:00 | 9:00~17:00 | 9:00~18:00 11:00~20:00 |
つらいところ | 労働時間・残業などが多い・命に関わるシビアさ・年功序列の世界 | 1000を超える品目を扱っている、常に薬の勉強をかかせない | レジ打ちや品出しなど、薬剤師と関係ない仕事が多く、調剤業務が少ない |
よいところ | 深い医療の現場に携われる・やりがいがある | 薬剤師業務に専念できる | 幅広い業務を経験できる・キャリアアップしやすい・給与が高い・社内価格で商品が買える |
給与が高いのはドラッグストア
給与がもっとも高いのはドラッグストアです。
就業1年目から500万円以上というところも多く、頑張り次第では
700万円以上も目指せます。
調剤薬局では、スタート時の給与はやや低めですが、勤務3年をめどに
管理薬剤師の資格を取るなどで、大幅に給与アップを目指せます。
一方、病院の給与は一般的には低いことが多く、地域や病院によっては
年収400万円をきることもあります。
残業が多いのは病院
残業がもっとも多いのが病院です。とくに総合病院の勤務では、対応する
患者さんの数も多く、時間通りに業務が終わることの方が少ないことも
あります。
また、病院によってはサービス残業となってしまうケースも多く、病院
勤務のデメリットのひとつとなっています。
ドラッグストアでも、お客さんの多い日などは定時に閉店できないことも
ありますが、それでも月に5時間~20時間程度となっています。
調剤薬局は、ほぼ定時に終業できるため、残業はほとんどないのが
一般的です。
昇給しやすいのは?
もっとも昇給しやすいのは、ドラッグストアです。
ドラッグストアには、薬剤師としてのスタートから、店長への昇進、
管理薬剤師資格取得による昇給、社内試験によるランクアップ、
エリアマネージャやスーパーバイザーといった、企業独自の
キャリアアップ制度があり、やる気次第でいくらでも上を目指す
ことができます。
調剤薬局でも、管理薬剤師を取るなどで昇給を狙うことが可能です。
一方、病院は年功序列の風潮が強い傾向にあり、かなりの古株に
ならないと簡単には昇給できないところが多くなっています。
休日が多いのは?
調剤薬局は、基本的に土日祝は休み(土曜日は半休のところもあり)と、
週中水曜日などが休みというところが多いです。
病院も、原則として土日祝は休みですが、入院患者や緊急対応に備えて
休日出勤が必要なところもあります。
ドラッグストアは、週に2日程度の休みが取れるところが多いですが、
土日はほぼ出勤となるところが多いでしょう。
また、薬剤師の足りない店舗では、決まった休みがなかなかとれない
というところもあり、店舗次第と言ったところです。
勤務時間は?
調剤薬局は、近隣のクリニックの終業時間と同時に終わることが多く、
9:00~17:00、もしくは19:00といったところが一般的です。
病院薬剤師も、9:00~17:00が基本です。当直への引き継ぎや
緊急対応などの場合は、退勤時間が遅れることもあります。
夜勤の場合は、17:00~9:00(仮眠あり)となります。
ドラッグストアでは、9:00~18:00と11:00~20:00の
シフト制が一般的です。
つらいところは?
病院のつらいところは、激務の割に給与が少ない、残業、夜勤が
多い、命に関わるシビアな世界なので気を休める暇がないなどが
挙げられます。
調剤薬局勤務もまた、人の命に関わる仕事であり、1000を
超える品目を扱うため、常に勉強する必要があります。
ドラッグストアでは、薬剤師の仕事よりもレジ打ちや品出しなどの
接客業務の割合が多く、目指していたものと違うと感じることも
あります。
よいところは?
病院薬剤師の魅力はやはり、医療の現場に深く携われる「やりがい」です。
命と向き合い、人のためになる仕事をしている充足感が得られる世界ですね。
また、調剤薬局勤務のよいところは、薬剤師としての職務に専念できるところ。
そしてドラッグストア勤務は、幅広い仕事を経験することができ、昇給や
キャリアアップを最短で目指せるところです。
【結論】薬剤師として働くならどれ?
やりがい・充足感を求めて仕事をしたい人は病院がおすすめです。
給料が少ない、激務であるなど、デメリットも多い環境ですが、なにより
深い医療の世界で仕事ができるのが病院勤務ですね。
また、純粋に薬剤に関わることが好きな人には調剤薬局がおすすめです。
他にも、患者さんと一定の距離感で接したい人にもよいでしょう。
キャリアアップやしっかりと稼ぐことに力を注ぎたい人には
ドラッグストアがもっとも近道と言えます。
以上、それぞれのメリット・デメリットなどを比較してみました。
職場選びの参考にして下さい。
まとめ
鹿児島県では、薬剤師がやや不足している現状から、今後もニーズが高くなることが予想されます。その分、待遇面や給与面において好条件の求人も多くなっており、より働きやすい職場を見つけたい薬剤師さんにとっては選択肢が多くあると言えます。
ぜひ参考にして下さい。