長年派遣会社で働いてきた筆者が感じた、時給の差。
なかなかよい時給の仕事がある派遣会社もあれば、全然高くない派遣会社もある。
でもこの差は一体なんなんだろう、単純にピンハネしているのか、安く使いたいのか。でも、安くしすぎたらどうせやめられるだけなのになあ。そんな思いをいつも抱えていました。
しかし、ある時を境に気づいたんです。
「やはり、大手派遣会社のほうが時給は高いな」と。今回は、その理由についてお話していきます。
目次
派遣会社の時給の差は「企業力の差」
どの派遣会社でも、結局やっていることは人材の派遣なんだから、利益も同じようなものだと考える人もいるでしょう。
ですが、けっしてそうではなく、実は大手ほど高く人材を提供することができるのが現状なのです。
なぜ小規模な派遣会社は時給が安いのか
派遣という働き方が浸透してきてから、派遣会社の数は急速に増加しました。
その結果、派遣会社同士の競争も熾烈になってきていて、力の差も大きくなってきています。
まだ若い新出の派遣会社や、地域に密着しているような小規模な派遣会社はどうしても企業とのコネクションが少なく、他の派遣会社よりも優先的に仕事を回してもらうためには、少しでも安く人材を提供するしかありません。
なおかつ、その中からできるだけ多くの利益を取らなければならないので、必然的に労働者に払う時給も安くせざるをえません。
また、企業とのコネクションが少ないため、職種が限られてしまう傾向もあります。
人気のある事務職や専門職の求人募集が確保できず、人の入れ替わりの激しいコールセンターや体力勝負のお仕事などに偏る傾向があります。
時給で選ぶなら大手派遣会社
一方で、大手の派遣会社は全国に企業とのコネクションがあるので職種の幅が広く、また企業力を活かした時給交渉が可能です。
大手であるほど労働基準法を犯すような危険はできないので、最低賃金の交渉など、法律を遵守して運営されています。
また、人材を他派遣会社に流出しないためにも、時給設定や福利厚生、フォローなどに力を入れているところも多く、不足なく働ける環境が整っているのもよい点です。
大手はピンハネしている?
よく、大手派遣会社は社員への時給をピンハネしているといった話がありますが、決してそんなことはありません。
近年では派遣会社の増加に伴い、派遣会社がひとり人材を派遣して得られる利益は年々下がってきています。
それでもその中から福利厚生のための施設やサポート環境などを整え、労働者が不満なく働ける時給を提供すれば、派遣会社の利益はそれほど多くありません。
大手でもそのような現状ですから、規模の小さい派遣会社ほど労働者に還元できる力が少ないと考えるのが妥当です。
小規模な派遣会社ができること
このように、やはり大手とそうでない派遣会社にはなかなか埋めがたい力の差があるのが現状です。
そのため、小規模な派遣会社は次のような路線で人材確保と業務拡大を目指すことが多いです。
給与の日払い・手渡し
時給は安くても、日払いに魅力を感じてくれる人を集められる
現地への送迎
物流関係の仕事などは、交通の便が悪い場所にあることが多いため、朝晩の送迎をしてくれる
業務中に顔を出して激励
取引先が少ない派遣会社などは、担当の人が企業内に顔を出して声掛けをしてくれたり、様子を見てくれたりする
アットホーム
アットホームな関係を作って、働きやすくしてくれる
前払い、日払い、週払い
前払いや日払いなどで、給与面の支払いを柔軟にする
コールセンター業務に集中
時給が高く、人材募集が常にあるコールセンター業務をメインに運営する
これらの配慮は、小規模な派遣会社や地域密着型の派遣会社ならではのものです。しかし、一方でその裏では利益が大きく取れず、時給に還元できないという側面もあるため、少しでも高い時給で働きたい人には、あまり響かないことも多いです。
また、日払いや前払いなどは、大手企業でも導入しているところが増えているため、そこでも大手との差別化は難しくなっています。
大手派遣会社を利用するメリット
時給が高い
前述のように、やはり時給を高く設定するには派遣会社としての企業力が必要になります。
そのため、あまり聞かないような派遣会社や、地域に根づいた小規模な派遣会社よりも知名度の高い派遣会社や海外にも拠点を持つ外資系の派遣会社のほうが、高時給の求人を提供する力があります。
よい時給のお仕事を確保・提供するためには、やはり資金や体力、企業力がないと難しいものです。
全国に仕事がある
大手派遣会社ほど、長年培ったコネクションやネットワーク、信頼度を持っているので、日本各地に求人の募集があります。
福利厚生が充実している
派遣で働く人をしっかりと確保し、気持ちよく働けるように、さまざまな福利厚生を用意されています。
派遣登録がオンラインで可能
最近の傾向として、派遣登録をWEB上からのオンラインで済ませられる会社が増えています。とはいえ、まだまだ小規模な派遣会社はそこまでの対応ができていないところも多いので、オンライン登録可能な派遣会社は無駄な手間が省けるのでよいですね。
大手派遣会社を利用するデメリット
地元で働けるところが少ないケースも
全国に派遣先を持つ一方で、地方の閑散な地域では仕事が見つからないこともあります。少し都心まで出ないと仕事がない、という地域もあります。
登録者が多い分、紹介が少ないことも
大手派遣会社ほど登録している人材が多いので、自分から仕事を探す姿勢のない人には、連絡がなかなかこないのが実情です。
よい仕事を見つけたい、早く仕事に就きたいという人は、待ちの姿勢ではなく積極的にコンタクトを取っていかないといけません。
避けるべき派遣会社
派遣会社はたくさんありますが、やはり避けるべき派遣会社というものもあります。
アルバイト系求人ばかりの派遣会社
人材派遣の会社でも、パートやアルバイトがメインの会社もあります。
そうした会社は派遣業といっても、「社員」という扱いではなく、人材としての位置づけはパートやアルバイトの扱いになります。
そのため単価の安い求人が多くなり、時給は800円~900円前後と、稼ぎたい人向けではないことが多いです。
また、よくも悪くも労働者さんの質が悪いこともあり、労働環境があまりよくないこともあります。
吊り求人で登録者を集めようとする派遣会社
求人広告ではすごく魅力的な求人を出しているのに、いざ応募してみると締め切りになっていたり、登録だけさせられて別の求人に誘導してくるような会社は避けましょう。
とくに求人の内容が抽象的すぎたり幅広すぎたりする場合、ただの登録者集めであることが多いので、できるだけ具体的な求人募集であること、まだ応募枠に空きがあることを確認してから登録会に参加するようにしたほうがよいでしょう。
コールセンター業務中心の派遣会社
まだ新しい派遣会社や企業規模の小さい会社は、コールセンター業務を多く扱う傾向があります。
コールセンター業務は、比較的時給が高い部類に入る一方、精神的にきつい仕事も多く、時給が高くても続かない人が多いジャンルになっています。
オフィスワークを探しているなら、コールセンター業務中心の派遣会社は避けたほうがよいでしょう。
地域密着型の派遣会社
地域密着型の派遣会社は、「自分の家の近くで仕事が探せる」「規模が小さいのでアットホーム」といったメリットがある一方で、取引先が数社しかない、時給が安いといったデメリットもあります。
筆者が派遣で働いた中で、一番取引先が少なかったところは4社で、すべて重労働系のお仕事でした。
登録した手前、半年はお仕事をしましたが、やはり希望の職種とはかけ離れていたので長くは続きませんでした。
【まとめ】大手派遣会社のほうが時給は高い
以上、さまざまな視点から見て、時給の高いお仕事を探しているなら、大手の派遣会社に登録することをおすすめします。
やはり企業力や資金力がない会社では、なかなか高待遇の求人を提供することができないのが現実です。
時給面だけでなく、フォロー体制や福利厚生、担当者さんの質なども大手のほうが行き届いていますので、リスクは小さいでしょう。
ただしどんなにいい派遣会社でも、自分がちゃんと働きたい意思を伝えなければよい対応はしてもらえません。
登録してからお仕事を始めるまで、誠意ある姿勢で臨んでよい仕事を見つけて下さいね。
時給の高いおすすめの派遣会社はここ!
筆者が利用してきた中で、時給が高いと感じたおすすめの派遣会社を紹介します。お仕事がたくさんあり、時給も高いのでおすすめです。
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