派遣会社は、企業に対して人材を派遣して、企業から派遣料金を受取る
ことでビジネスをしています。
この派遣料金は、派遣会社が労働者に支払う賃金+ 派遣会社の利益
「=マージン」を加えた額になります。
それでは、派遣会社は、人一人を派遣して一体いくらくらいの利益を
得ているのでしょうか。
目次
派遣マージン率とは
派遣会社が企業に対して請求する派遣料金のうち、利益が占める割合を
派遣マージン率と言います。
派遣マージン率は%で表されます。
例えば人ひとりを派遣して、その労働者に支払う日当が8000円
だとします。
そして派遣会社が派遣先企業から受け取る派遣料金が10000円
であった場合、派遣マージン率は
(10000-8000)÷10000=0.20
20%と言うことになります。
時給1000円で1日8時間労働、月25日間就業の労働者を派遣
した場合、マージン率20%だと月5万円のマージンが派遣会社に
入ります。
しかし、ここで注意注意したいのが、5万円が丸々派遣会社の利益に
なるわけではない点です。
派遣会社は、ここから労働者の保険や福利厚生、有給費用など
さまざまな諸経費を支払います。
ですから、派遣会社の得る利益はさらに少なくなります。
こうして聞くと、派遣会社が得る利益は、実は意外と少ないという
ことがわかります。
派遣会社のマージン率は企業や支店によって異なる
派遣会社が設定するマージン率は、会社ごとに違っています。これは会社に
よって福利厚生や労働者に支払う時給、交通費の支給の有無など色々な
理由によるためです。
ここで意外なのが、たとえ同じ派遣会社であっても、支店が違うとマージンも
違っているということです。
これは都心部や地方など、地域によっても労働実態や労働コストの相場が
違うためです。
実際の派遣マージン率はどれくらい?
では、派遣会社の実際のマージン率はどれくらいかと言うと、およそ
20%~40%あたりが相場となっています。
35%を超えてくると、少し高めのマージン率と言えます。
そのかわり、保養施設が利用できたり、ポイントで日用品を購入できる
サイトが利用できたり、交通費支給だったりと、労働者の利便性に力を
入れている結果だったりします。
自分の時給に30%を乗せたくらいが派遣料金
マージン率の平均は、だいたい30%くらいが相場です。
自分の時給が1000円であれば、だいたい1300円前後が派遣料金
となります。
派遣会社はこの300円のマージンの中から、労働者の保険関係の費用
や有給の費用、福利厚生の維持費などを捻出しています。
さらに派遣会社で働く社員の人件費なども必要になりますので、派遣会社
の利益も意外と薄利多売であることがわかりますよね。
ですから、派遣会社はできるだけ優秀な人材を集めて、長く勤めて
もらわないと、なかなか利益を得にくいのです。
派遣マージン率は公開が義務付けられている
派遣マージン率は、労働者派遣法で公開が義務付けられています。
そのため、派遣会社も不当に高いマージン設定をすることはできませんし、
あまりに高いマージンを取ると派遣先企業に嫌われてしまいますので、
無茶はできないのです。
「派遣会社がぼったくっている」は間違い
派遣会社は、マージン分の金額からさまざまな諸経費を支払います。
そのため、福利厚生や有給制度、研修、交通費支給など、時給以外の
部分で労働者に手厚いサポートを行っている会社ほど、マージン率が
高くなります。
ですから、マージン率が高い=暴利を貪っているというわけではない
のです。
結局は相場通りのマージンしか取れない
結局、派遣会社も利益を上げるには色々と工夫をしなければならず、
単純にマージン率を上げればよいというものではないのです。
ライバルがたくさんいる中で利益を上げていくには、質の良い
派遣社員をたくさんかかえ、なおかつ企業が利用しやすい派遣
料金を設定しなければいけませんので、そのあたりのバランスを
考えざるを得ないのです。
時給の高さは派遣先企業の費用によって決まる
時給が安いと、労働者からすれば派遣会社に搾取されていると
考えてしまいがちですが、実際のところ、時給の値段は派遣先企業の
出す費用次第となるところが大きいです。
例えば派遣先企業が「スキルはいらない仕事なので、これくらいの
費用で人が欲しい」と人材を要望してきたとします。
派遣会社は、それに見合った時給を設定しないといけません。
その金額に派遣会社のマージンを乗せて、「これくらいの派遣料金で
どうでしょう」と提案をするのが派遣会社の立場です。
当然派遣先企業も、派遣会社がいくらの時給で労働者を雇っているか
分かっていますので、相場を超えるマージンを取ると他の派遣会社に
鞍替えされてしまうのです。
企業は派遣料金が安いところを使いたい
企業側は、人件費を抑えるために派遣会社を利用しています。そのため、
派遣料金の安い派遣会社から人材を集めたいのが本音です。
ですから、派遣会社もできるだけ料金を下げないと他の派遣会社に
仕事を取られてしまいますので、下手に料金を高くできないのです。
ですから、派遣会社が利益を上げるには、派遣料金そのものを上げて
マージン率を高くするか、労働者の時給を下げてマージン率を上げる
かのどちらかになります。
ですが時給を下げれば労働者は別の派遣会社に行ってしまいますし、
派遣会社も色々と大変なことがわかります。
自分の会社のマージン率を知りたい時は
自分の会社のマージン率を知りたい時は、会社のオフィシャルの
ホームページなどを見れば分かるでしょう。マージン率は公開が
義務付けられているためです。
もしホームページを見ても見つからない時は、担当者さんに
どこに公開しているかを確認してみてもよいでしょう。
ただし、公開義務があるにもかかわらず公開していない派遣会社も
あるため、注意が必要です。
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まとめ
「自分の派遣会社の時給が安い!ぼったくられてるんじゃないか?」
と考えてしまうこともありますが、派遣会社も色々と企業努力をして
います。
派遣先企業も、派遣会社がどれくらいのマージンを取っているかは
分かっていますし、マージン率も公開が義務付けられていますので
無理なぼったくりはできないのです。
時給が安いということは、それなりの仕事か、派遣先企業がそれくらい
しか出してくれないんだなと考えるのが妥当ですね。
ですから時給アップ交渉を考えている人は、こうした事情も踏まえて
よく考えて交渉に臨みましょう。どうせぼったくっているんだから、
もっと時給あげろよ!と考えるのは危険ですよ。
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