近年、ますます派遣で働く人の数が増えてきました。
派遣というとどうしても、正規社員と比べられて「不安定」「時給が低い」
「派遣切り」などと言ったネガティブなイメージがつきまといます。
今回は、今更聞けない派遣の本質と、メリット・デメリットについて
解説していきます。
目次
派遣とはなにか
「派遣」とは、人材を派遣する派遣会社に登録をして、その派遣会社から
紹介された就労先企業で働くことを言います。
派遣社員と正社員の違いは、雇用元が「派遣会社」なのか、「勤務先の会社」
なのかの違いです。
派遣社員は派遣会社に雇用されていて、仕事は派遣先の現場で就労しますが、
給料は派遣会社からもらいます。
従って、仕事の指揮命令は派遣先の担当者になりますが、雇用契約主は派遣
会社になっています。
人材紹介会社とは区別しよう
同じようなサービスを提供している会社として、人材紹介会社があります。
人材紹介会社も労働者に就労先企業を斡旋してくれますが、人材派遣会社と
異なり、雇用関係は企業との直接雇用となりますので、区別しておきましょう。
派遣社員が誕生した背景
日本の人材派遣制度は、1986年の労働者派遣法の施行からスタート
しました。
そもそも企業は、必要なときだけ必要な戦力となる人材が欲しい
というのが本音です。
ずっと社員を抱えていると、当然会社としての費用負担が大きく、
またいざ解雇ようとしても、労働基準法に守られた労働者を簡単に
解雇することができません。
仕事の過渡期には大勢の人員が必要でも、ピークをすぎれば
余剰人員となってしまうため、企業も悩みどころです。
そうした背景から、人材派遣というスタイルは昔からニーズが
あり、それが近年になってより顕著に、一般的に浸透してきた
と言えます。
需要があれば、そこに供給が生まれます。
ここ数年で派遣会社も数もかなり増えてきました。また、終身雇用と
いう常識が消滅しつつある現在において、都合の良い時間だけ働ける
派遣というスタイルは労働者にとってもありがたい働き方です。
特に結婚や出産、育児などを抱える女性にとっては、派遣は非常に
働きやすいスタイルです。
必要な時だけ働ける、これは必要な時だけ働いてほしい企業と
完全に利害が一致しています。
そのため、近年では派遣という働き方がどんどん浸透してきて
いるのです。
派遣の労働形態について
派遣社員には大きく分けて「登録型派遣」と「紹介予定派遣」のふたつの
形態があります。
登録型派遣は、前述したように派遣会社に登録をして、派遣先企業に就労
するスタイルです。
一方、紹介予定派遣は派遣先の企業に直接雇用してもらう事を前提と
して働くスタイルです。
紹介予定派遣は、最長6ヶ月間、派遣社員として企業で働き、企業側と
労働者側が互いに直接雇用を希望した場合に正社員として契約ができる
形態となります。
使える人材かどうかを判断してから雇用したい企業と、働く環境や
仕事内容を知らずに契約するのが不安な労働者側の双方にとって
便利なスタイルと言えます。
知っていましたか?派遣での面接や書類審査はNG
意外と知られていないのですが、企業から派遣会社へ社員の派遣を
依頼する場合、企業側には人材を審査したり選んだりする権利が
ありません。
あくまで派遣会社から派遣された人材を受け入れなければいけません。
ですから、事前に面接をしたり、履歴書や職務経歴書の提出を
要求することもNGとなります。
そのため、企業側の期待する人材と、派遣された人材にギャップが
生じることが多々あります。
派遣社員は就業のハードルが低いと言われるのはそのためで、
とにかく働きたい労働者にとって、派遣のスタイルは非常に
便利です。
ただし、禁止されているのはあくまで企業が個人を選考すること
であって、職場見学や就業前の顔合わせまで禁止されているわけ
ではないことも知っておきましょう。
派遣社員が働きやすいと言われる理由
派遣社員は、あくまで派遣会社に雇用されています。
そのため、派遣先の仕事が自分に合わないと感じた場合、派遣会社に
申し出て相談したり、就業を辞退することも可能です。
直接現場の担当者には言いにくくても、派遣会社の担当者さんに
なら相談しやすく、改善が見込めなければ別の職場を紹介してもらう
こともできます。
また、派遣先も、あくまで他の会社からきてくれている社員さんと
して派遣社員を扱ってくれるため、ある程度の節度をもって接して
くれることが多く、待遇が極端に悪いと言ったことがおきにくい
と言えます。
派遣社員に対する誤解
派遣社員は不安定?
近年、派遣社員の数は増え続けていますが、その半面、まだまだ
派遣社員は不安定だと認識されていることが多いです。
しかし、長く同じ会社に務めることが美徳とされてきた昔と
違い、終身雇用制度も消滅しつつある現代においては、むしろ
仕事を切り替えやすいスタイルとも言えます。
同じ会社にずっととどまっていることを安定と考えた場合、確かに
派遣社員は不安定かもしれません。
法改正によって、「3年ルール」が適用されたため、派遣社員として
長く同じ会社で働くのはなかなか難しくなったのも、長く努めにくい
原因のひとつです。
ですが、派遣社員で実績や経験を積み上げていれば、契約が終了しても
すぐに次の就業先を紹介してもらえます。
同じ会社で働き続けていても、昇給も待遇改善も見込めないまま
突然リストラされてしまった場合、けっきょくまた一からやり直し
になってしまいます。
であれば、最初から派遣で働いていたほうがメリットが多かったと
いうことになりかねません。
会社次第で、将来がどうなるかわからない今の世の中では、
むしろ派遣というスタイルのほうが自由がきく場合が多いようです。
派遣社員は時給が安い?
派遣社員は給与面についてもマイナスのイメージがつきまとって
いますが、実は派遣社員の平均時給は、一般的なサラリーマンよりも
高いという統計も出ています。
2016年時点の調査結果では、サラリーマンの平均時給1486円
に対して、派遣社員の平均時給は1598円となっています。
派遣会社は自社の雇用する労働者に対して、適正な待遇を維持する
義務があるため、不当に安い時給で雇ったりすることが法律上
できなくなっています。
そのため、給与面においても派遣社員は決して安くないというのが
現状なのです。
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まとめ
今回は派遣という働き方について、詳しく説明しました。
派遣は現代社会においてもっともマッチした働き方と言えます。
自分のライフワークと仕事の距離感を大事にしたい現代の労働者と、
必要な時だけ必要な人材が欲しい企業、そしてそれを橋渡しすること
を生業とする派遣会社の3者にとってWin-Winな労働形態と言えます。
今後ますます派遣型の労働スタイルは一般に浸透していくと思われ、
数年後には企業の大半が派遣社員となっている時代がくる可能性も
あります。
「派遣はちょっと・・・」と考えている人も、もう一度その利便性を
見直してもよいかもしれませんね。
ぜひ参考にして下さい。
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