求人情報で見かける「契約社員」と「派遣社員」。
同じ働くなら、少しでもよい条件で働きたいので、どちらを選ぶかは
大事なところです。
どちらにも一長一短があり、人によって選択肢は変わってきますので、
それぞれの特性をしっかりと理解しておきましょう。
目次
最大の違いは雇用主
契約社員と派遣社員の最大の違いは、「雇用主が誰であるか」です。
派遣社員は派遣会社に雇われて派遣先で就業する、いわゆる「間接雇用」と
なり、給与や福利厚生などはすべて派遣会社との契約となります。
いっぽう、契約社員は就業先の企業での「直接雇用」となるため、給与や
福利厚生など、すべて就業先の条件に従って働くことになります。
派遣社員のメリット
面倒な交渉事を任せられる
契約社員と比べて派遣社員のよい点は、複雑な交渉事を派遣会社に
任せられる点です。
雇用条件や待遇面などの交渉はすべて派遣会社の担当者が行ってくれる
ので、自分では交渉しにくいことも、お願いすることができます。
職場探しのサポートを受けられる
また、職場探しの自由度も高く、仮に今の職場を切られてしまったり、
職場を変えたい場合も、派遣会社がサポートしてくれるため、次の職場
への移行がスムーズに行えます。
自分で一から就職活動をするのは大変ですが、派遣会社の場合は
次の仕事を紹介してもらえたり、希望の職種を探してもらえたりする
ので、仕事に就きやすく、また辞めやすいと言えます。
時給が高い
契約社員と比べると、派遣社員のほうが時給も高くなる傾向にあります。
この点についてはけっこう誤解も多く、派遣社員は時給が低いと思って
いる人も多いですが、2016年時点の調査結果でも、一般的なサラリー
マンの平均時給1486円に対して、派遣社員の平均時給は1598円
との統計も出ています。
契約社員の場合、直接雇用のため、どうしても給与面も雇用先の条件を
飲まざるを得ない部分がありますが、派遣社員の場合は派遣会社を
介しているため、就業先企業も理不尽な条件で雇用しにくい側面が
あり、適正時給で働ける環境が整っていると言えます。
有給などの制度を利用しやすい
派遣社員は、派遣会社に従属する立場のため、たとえ就業先企業が
有給を申請しにくい環境であったとしても、権利として有給を申請
しやすいことが多いです。
就業先の正社員さんが、有給を消化しきれなくて嘆いていても、
自分はしっかりと権利を主張して休みを取ることができ、就業先
企業もそれを拒否することはできません。
契約社員のメリット
契約期間中は解雇されにくい
契約社員の場合、定められた契約期間の途中で不当に解雇することは
労働契約法で禁止されています。
契約期間の途中で契約社員を解雇するには、「解雇するに相当するやむを
えない理由」が必要となるため、企業側が一方的に解雇を言い渡すことは
できない決まりとなっています。
無期労働契約を申請することができる
働く上で一番の心配事は、契約終了によって職を失うことです。
たとえ社員と同じ仕事をしていても、契約社員である以上は契約を終了
されればそれで終わってしまいます。
しかし契約社員の場合、一定の条件を満たせば「無期労働契約」を
会社に申請することができ、受理されれば、突然の解雇や契約終了の
不安から開放されることができます。
【「無期労働契約」とは】
無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込みにより、
期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。
契約期間が1年の場合、5回目の更新後の1年間に、契約期間が3年の場合、1回目の更新後の3年間に無期転換の申込権が発生します。有期契約労働者が使用者(企業)に対して無期転換の申込みをした場合、無期労働契約が成立します(使用者は断ることができません)。引用:http://muki.mhlw.go.jp/
いっぽう、派遣社員の場合はこの「無期労働契約」を申し出る権利はなく、
さらに2015年9月の労働者派遣法改正後から、同一の派遣先企業で3年以上、
働くことができないという「3年ルール」が適用されるようになったため、
最長3年を持って契約を終了される可能性もあります。
本来、この「3年ルール」はずっと派遣契約で働く人を守るために、「3年
経ったら正規雇用に転換しましょうね」という目的で定められた法律です
が、実際には派遣切りの期限として機能してしまっているのが実情です。
この契約期間という視点で見れば、やはり派遣よりも契約社員のほうが
少し安定感があると言えるかもしれません。
社員に近い待遇で働くことができる
これは企業にもよりますが、社員と同様にボーナスをもらえたり、
責任ある仕事を与えられたりと、社員と変わらない条件で仕事が
できることが多いです。
働くなら、契約社員と派遣社員どっちが得?
どちらが得かは、人それぞれの考え方やライフスタイルによって変わって
きますので、自分にとってどちらが合っているかはよく考える必要が
あります。
社員登用を目指すなら契約社員
契約社員の場合は、社員で働きたいけれどなかなか正社員から入るのが
難しいという人におすすめです。仕事に自信があり、契約社員として
活躍して社員に昇進したいという意欲のある人は、契約社員から入る
のがよいでしょう。
とはいえ、契約社員は派遣社員よりも安定しているという側面も
ありながらも、雇用条件は雇用主に依存していること、また条件交渉
もすべて自分で行わないといけないことなどから、最初から有利な
条件で働くことは難しい側面もあります。
また、一度職を失ってしまうと、一から自分で求人に応募して探して
いかなければならない難しさもあります。
「派遣社員は不安定」の誤解
一般的には派遣社員はまだまだ立場が弱く、派遣社員は不安定である
と認識されていることが多いです。
しかし実際のところ、何をもって「不安定」と考えるかによって、
実はまったく逆の捉え方もできます。
確かに同じ会社にずっととどまっていたいと考えるならば、
派遣社員は不安定と言えます。
「3年ルール」などの適用によって、派遣社員として長く同じ
会社で働くのはなかなか難しいためです。
その半面、派遣社員でコツコツと実績や経験を積み上げていれば
すぐに次の就業先を紹介してもらえるのも派遣会社の特徴です。
まったく昇給も待遇改善もなく、同じ会社で働き続けるよりも
ステップアップしながら次の職場に移ることが容易です。
派遣会社も、長く働いてくれる人は優秀で貴重な人材として
手放したくないので、すぐに好条件の仕事を斡旋してくれます。
いっぽう契約社員だと、いったん会社から解雇されてしまうと
なかなか次の職場を見つけるのは難しく、結局派遣会社に登録する
というケースも多いです。
長らく安い給料やサービス残業に耐えてきても、そうなって
しまえば最初から派遣の方がメリットが多かったということに
なりかねません。
交渉事が苦手な人は派遣会社
一方派遣会社の場合、条件面の交渉やトラブルの対応も派遣会社が
行ってくれるので、そういった交渉事や複雑な手続きが苦手な人は、
派遣会社を選ぶほうが無難でしょう。
また、長期ではなく、中・短期での仕事を探している人は、派遣会社
のほうが案件もたくさんあり、すぐに仕事に就ける可能性が高いで
しょう。
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まとめ
契約社員も派遣社員も、ともに非正規雇用です。
ただし、一口に非正規雇用と言っても契約社員のほうが就労環境は
社員に近く、自由のききにくい働き方のため、社員を目指す方向きの
働き方と言えるかもしれません。
一方、派遣社員は融通がききやすく、自由度の高い働き方であるため、
社員として働きたいという人よりも、自分の生活に合わせて決まった
時間だけ働きたいという人や、仕事探しや交渉事が得意でないという
人向けの働き方と言えるでしょう。
自分の目指すものは何か、どういったスタイルで働きたいのかを
しっかりと考えて選ぶのがいいですね。
ぜひ参考にして下さい。
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