障害を持ちながらでも、お仕事をしたいと考えている人はたくさんいます。
身体的な障害、精神的な障害、抱えているものは人それぞれに違いますので、
やりたい仕事も人それぞれ。
「みんな違ってみんないい」のです。
とはいえ、障害者が働きやすい環境とそうでない環境があるのもまた事実。
周囲の理解を得られない職場に入ってしまうと、気持ちよく働くことが
難しくなってしまいます。
特に誤解があるのは、「アルバイトなら簡単そう」「就職は難しそう」と
いう働き方に対する認識です。
この記事では、アルバイトと就職、どちらが働きやすいかについて考察してみます。
目次
アルバイトと就職の違い
「アルバイトだから融通がきく」というわけではない
一見すると、アルバイトと言えば短時間だけ働く、もしくは週に何日かだけ
働くといった自由がきく働き方に感じがちです。ですが、実際にはアルバイト
にも求められるものは多く、
「可能な限り勤務してほしい」
「時給に見合った分だけはしっかりと働いてほしい」
そうした雇用主の思いもあります。
それは障害があっても、障害がなくても求められるものは同じです。
ですので、アルバイトなら気楽に働けるというものでもないのが実情です。
「就職だから難しい」わけではない
一方で、就職してお仕事をするのは大変かと言えば、必ずしもそうでは
ありません。自分の障害をオープンにできる場合、障害者向けの求人募集
があります。
障害者向け求人は障害者雇用促進法に基づいて、障害者雇用率(法定雇用率)
に相当する人数を企業が雇用する義務があります。なおかつ、障害者に対して
安全に働ける環境を提供する義務もあります。
すなわち、もっとも障害者に対して理解のある環境が提供されているという
ことです。
企業に就職するからといって必ず週5日勤務でなければならないことはなく、
その人に応じて週3~4日勤務や、隔日での在宅ワーク、4時間だけの時短
勤務など、臨機応変に対応してくれる企業がほとんどです。
そのため、アルバイトなら働きやすい、就職なら働きにくいという考え方は
間違っていると言えます。
アルバイトのほうが責任が重いことも
アルバイトの求人を募集しているのは企業ばかりでなく、個人経営の会社や
お店もあります。
そうした職場は、大手企業よりも業績にシビアであることも多く、少ない
人数で最大限の利益を確保したいため、仕事量が多かったり、一人ひとりの
責任が大きいこともあります。
また、一部では「障害者であれば安く雇用できる」というよくない考えを
持つところもあります。
ですので、「アルバイト=簡単」ではないことを知っておきましょう。
障害者の働きやすい環境・働きにくい環境の比較
障害者が働きやすい職場
- 障害に対して理解がある
- 同じ障害者仲間がいる
- 障害をサポートできる設備や環境が整えられている
- 医務室がある、保険医がいるなど、とっさの場合に対応できる
- きちんと仕事の責任が分散されている
障害者が働きにくい職場
- 障害者を受けれる環境が整っていない
- 障害への理解がない
- 健常者と同等の働きを求めている
- 不当に待遇をさげられる
- 配慮してくれる人がいない
障害者が働きやすい環境は、やはり障害者を受け入れた実績のある会社で
ないとなかなか提供できないものです。
そのため、よい職場を見つけたい場合は、現在他にも障害者さんが働いて
いる職場、もしくは受けれた実績のある職場から選ぶのがよいでしょう。
差別しないことと理解がないことは別
障害のある人を差別したり、不当に扱うことはもちろんあってはなりません
が、だからといって、障害への理解なく健常者と全く同じ働きを要求するの
もまた違います。
障害に理解を示しながら、平等な視点で接してくれる職場であることが、
障害者が安心して働ける環境と言えるでしょう。
結論:アルバイトと就職ではどちらが働きやすい?
アルバイトと就職では、障害者を受け入れる体制が整っているかどうか
が焦点となります。
障害者さんがたくさん集まっている、障害者向けのアルバイトであれば
問題ありませんが、障害者への理解なく受け入れているような職場は
避けたほうがよいでしょう。
一方、難しそうに感じてしまう障害者の就職では、決して難しくはなく
むしろ障害者枠で求人を探せば思った以上に働きやすく待遇もよい職場
が見つかるものです。
障害に対する理解もあり、身体的・精神的な障害に対応できる設備、
環境が整っているのでぜひ利用してほしいところです。
求人も時期を問わずいつでも見つけられるので、臆せずに一歩を踏み出して下さい。
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