双極性障害に悩む人は、非常にたくさんいます。
一見すると健常者となんら変わりませんが、常に「躁」と「うつ」を繰り返す恐れがあるため、周囲に迷惑をかけるのではないか、すぐに仕事が嫌になってしまうのではないかと不安をもっている方も多いでしょう。
双極性障害は薬による対処法が整っている症状ではあるものの、躁の状態では本人の自覚なく気分が高揚していたりするので、やはり周囲の理解は不可欠です。
また、双極性障害は原因が解明されていない病気のひとつでありますが、環境の変化やストレスが原因と考えられているため、病気に対して配慮のある職場で働くのが、長く仕事を続けられるポイントとなります。
目次
他人との関係の中で働くこと
職場では働くということは、他の人との関係の中で働くということです。
それは健常者にとってもストレスである事が多く、こころの不安定な双極性障害の人にはより大変な面があります。
そのような環境下では、周囲の人に自分の病状を知ってもらっているかどうかは、長く安心して働く上で非常に重要なポイントになります。
双極性障害を隠して働くことは可能?
自分が双極性障害であることを知られたくないという人も多いでしょう。
病状を知られることによって、働きたい職場につくことができなかったり、待遇面で不利益を被ったりするのではないかという不安もあります。
また、自分では障害を認めたくない、という人もいます。
双極性障害を隠して働くことは、もちろん不可能ではありません。
ですが、やはり周囲の理解の中で働くほうがストレスなく仕事をすることができますし、いざという時に対処してもらうことができます。
もし、症状を隠したまま働いたり、障害に対する理解のない職場で働いた場合、自分が処理できないほどの仕事を要求されたり、理不尽な扱いを受けることもあるかもしれません。
やはり周囲の理解があるかどうかは、障害者にとってはとても重要なことなのです。
双極性障害の人でも働ける仕事は?
双極性障害であっても、肉体的には健全な人と変わらないことがほとんどです。
ですが、心が疲弊している時はどんなに肉体が健康であっても体は動きません。ですから、心と身体のバランスをとって働くことが大事です。
働きやすい仕事というのは、個人によっても感じ方が変わりますが、ここで双極性障害の人でも働きやすいお仕事の一例を挙げてみます。
工場内での単純作業
工場内の単純作業「検品」「目視」「ピッキング」などのルーティーンワーク、軽作業の仕事は、人との細かいやりとりが少なく、一度仕事を覚えてしまえば流れでこなすことができます。
肉体的にも疲れないものがたくさんあるので、1日4時間~など、自分のできる範囲で働くことができます。
また、他の仕事よりも人の変えが聞くので、休みが取りやすいという特徴もあります。
配達系の仕事
近年流行ってきているお仕事として、ウーバーイーツに代表される配達のお仕事があります。
この仕事は、仕事時間の大半が自転車での移動や、注文待ちの時間になり、人との関わりが少ないのが特徴です。
ビルや施設の清掃系の仕事
ビルの清掃やメンテナンスの仕事は、自分の割り当てられた範囲をきっちりときれいにすればOKなので、自分の世界に入って仕事をすることができます。
割り当てられた範囲をきれいにするのが、なんとなく楽しくて自分に合っているという人も多く、人気の職種です。
オフィスワーク
双極性障害の人でもオフィスワークが好きな人は多いです。
頻繁に会議やプレゼンのあるような仕事ではなく、資料の整理やデータ入力、資料作成など、型の決まった仕事はやりやすく、楽しさもあります。
双極性障害が働きやすい仕事環境
障害者に理解がある職場
やはり周囲の理解があることは、気持ちよく仕事を続けるためにはとても大事です。
症状をオープンにしていれば、困ったときには助けてもらうことができますし、つらい時には休みや休憩をもらえるなどの配慮もしてもらうことができます。
障害者を受け入れている企業であれば、医療設備が整っていて保険医も待機しているなど、いざという時に適切な対処をしてもらうことができます。
障害者仲間も一緒に働いている職場
障害者雇用をしている企業なら、同一部署に自分と同じ症状を持つ仲間がいるところも多いです。
同様の障害を持つ人がいるだけで気持ちも楽になりますし、お互いに励まし合って仕事をすることができます。
急な休みに対応してくれる職場
精神的な病状を持っていると、朝、突然仕事に行けなくなることもよくあります。
そんな時も、休みを許容してくれる職場であればまた次の日から頑張って仕事に戻ることができます。
精神疾患の人がよい職場に出会うには
職場探しは、不安やストレスを感じるので、双極性障害のある方にとっては精神的な負担も大きいものです。
また、無事に就職できたとしても、その先本当に自分が長く働くことができるのか?という不安もあります。
そんな時は、自分ひとりの力で乗り越えようとする必要はありません。障害を持つ人には、障害者向けの就業サポートサービスがありますので、積極的に活用するのがよいでしょう。
障害者向けの就業サービスは主に2種類
障害者向けの就業サイトは主に2種類あります。
障害者求人エージェント
求人エージェントとは、障害者雇用枠を持っている企業さんと、お仕事を探している障害者さんの間に入って、職場を紹介してくれるサービスです。
書類の作成補助や添削、面接の事前練習、待遇交渉などをすべて無料でお手伝いしてくれますので、絶対に活用したいサービスですね。
障害者雇用には、パナソニックやトヨタ、楽天など有名な大手企業も多く募集があり、給与面や労働環境にも配慮されているところがほとんどです。
もちろん、もっと家庭的な職場でゆっくり働きたいなら、そうした職場を紹介してもらうとよいでしょう。
現在、障害者雇用枠で活躍している障害者さんの多くは、障害者求人エージェントを利用して職場を見つけています。
【おすすめの障害者求人エージェント】
▶【プライベートも大事にしたい!】東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪でしょうがい者雇用をお探しなら「障害者雇用バンク」(20~45歳)
▶【地方エリアにも多数の求人!】「dodaチャレンジ」(60歳までの方)
障害者の就労移行サポート
障害者の就労移行サポートとは、障害があるために働く自信がない人や、リハビリや社会復帰のための準備が必要な方にたいして、スキルを習得するための支援や社会復帰のためのプログラムを組み、就労までの訓練やサポートを行ってくれるサービスです。
精神的な不安、技術的な不安の両面からサポートしてくれますので、まずは学ぶところからスタートしたい人におすすめです。
有料、無料さまざまなものがありますので、詳しくは各サポートに問い合わせてみるのがよいでしょう。
【おすすめの就業支援サービス】
東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県
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双極性障害は転職を繰り返す?
双極性障害を持っていると、頑張って仕事を見つけても続けることができず、転職を繰り返してしまう人もいます。
また、それによって自己嫌悪に陥ってしまう場合もあります。
ですがたとえ仕事が続かなかったとしても、それを気にする必要は一切ありません。
健常者であっても仕事が続かない人はいますし、まだ自分に合った職場に出会えていないだけかもしれません。
「続かないから自分は駄目だ」「仕事を探したって無駄だ」と考える必要はなく、続かなかったらまた探せばよいのです。
大切なのはできるだけつらい思いをせずに仕事をしていくことであり、苦しみの対価として収入を得る人生は、決して幸せではありません。
自分にあった職場に出会うために職場を変えるのは、自分のためです。他人にどう思われるかは、まったく関係ないのです。
まとめ
働くということには、心理的なストレスが少なからずかかります。
それは対人関係や職場環境、自分自身の内面など、さまざまなことが要因となっています。
できるだけ穏やかに仕事をするためにも、周囲の環境や理解がある職場を選びたいですね。
無理に独力で仕事を探すよりも、専門のプロの力を借りてストレスなく職場探しを行いましょう。
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